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Author: 山鳥
SS書いてます。 連絡は★を@半角で。hcv-197-yama★hotmail.co.jp
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| 重松清 ビタミンF |
あ、極めてどうでもいいけど化物語がアニメ化するらしいですね。化物語はオタク文化を揶揄する小説の皮を被った王道のオタク向けエンターテイメント、の皮を被った、うん、エンターテイメントであることに間違いはない。この揶揄するポーズ、というのが西尾維新の希代のバランス感覚を示していると言えるでしょう。安全圏から女の子とキャッキャウフフを楽しめるという素晴らしいシステムです。 巫女子ちゃんを平気な顔してぶっ殺したあの西尾維新はどこに行ってしまったんだろう? どこにも行けなかった、というのが正解な気がしてならない。まさに彼は昔の彼ならず、である。 巫女子ちゃんをぶっ殺すことと姫ちゃんをぶっ殺すことには大きな大きな隔たりがあるのだけれど、上手く言葉にはできない。
ビタミンF。 なんで本棚に入ってたのか全然分からない。いつか衝動買いしたような気がするけど、そのときは「くちぶえ番長」か「ナイフ」だった記憶がある。ともかくビタミンFは買った記憶がないし、読んでみても全く覚えがない。いや、保坂和志とかは確実に読んだのに読んだ覚えがないってことがある(自分の注意力散漫が大きな要素なんだろうが、少しは保坂和志の小説にも責任はあると思う)。でもこれそういう本じゃないしなあ。
ともかく、活字離れが深刻だったので読んでみた感想。 息子が話してる女の子がダッフルコートを着てたり、オヤジ狩りって言葉が出てきたりするところに途方もない時代錯誤を感じる。そりゃもう8年も前の本で、当時のお父さん方はめでたく厄年を越えてガキンチョどもはいっちょまえに成人してる今だからなんだろうけど。サザンも解散したし。 不思議なのは、そういう時代錯誤感が作品全体を通してぷんぷん感じられたのに面白かった。大抵は興がそがれて10ページも読まないうちに投げ捨ててしまうんだけど。 バブルや高度経済成長や地価高騰と言われても正直ピンとこない。オヤジ狩りなんて前世紀の遺物にしか思えないし、ユーミンをカラオケで歌おうものなら「古ッ!」と言われるようなこのご時世。と、言われることを承知の上でそんな言葉を多用して、文学的な普遍性より同時代性を重視した。それは分かるんだけど、そんな小説が未だに受け入れられるというのは、やっぱり不思議なことだ。 その理由のひとつは、重松清が平明でまっとうな文章で作品を書いていること。解説によれば受け手の存在を第一に考えながら作品を作っているそうな。ようするに、小説として出来がいいってことなんだろうと思う。いささか説明臭さを感じないでもない(「はずれくじ」で顕著)んだけれど、それでも。 で、もう一つの理由は、多分なんだけど、作者が伝えようとしたことが大昔から語られ続けている普遍的で面白くないものだったか、あるいは8年経っても根本的に受け手自身が変化していなかったか、だと思う。考えてみれば時代の流れなんてヲタ論壇で2,3指摘されたくらいなもんで、自分の世代なんて考えたこともなかった。強いて言えばそういうのを感じなくなったというのが変化なのかもしらん。彼はハルヒを見る。僕はリトバスをする。それでいーじゃん、ヘイホー! ってなもんだ。過ごしやすくて大変ありがたいと思う。
もしかしたら今の中学生が読めば鼻で笑って「こんなガキいねーよ」とゴミ箱にポイするかもしれない。むしろ自分の時代感が大幅にずれてる、って可能性が一番大きい気がする。そうだとすれば、真っ当に時間が流れたってことで喜ぶべきなんだろーね。 ともかく面白かったです。当たり前なんだけど、登場人物は主人公だろうが脇役だろうが作品の中では等価でなきゃいけない。最近そういう作品にほとんど触れてなかったんでひとしお。
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